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顔の治療の大切さ

こんにちは。

院長の増田です。

 

今日は、定休日。患者さんから紹介いただいたチクタクopen the kitchen さんへ

「無添加ごはん」のランチに行ってきました。

優しくて、丁寧な、おいしいご飯でした。

 

最近、関わる患者さんに食事に興味がある方が増えており、

食事や水の摂り方を工夫したり、改めてみたら、劇的に症状が改善したり

食事を通して家族の関係がより良くなったり、

生き方、あり方まで大きく変わる方がいたり、

自分の人生を生きること(内面)に目を向け始める方が増えたりして

とても嬉しく思っています。

 

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今日は、顔の治療について少しお話したいと思います。

 

 

表情は、人と人をつなぐコミュニケーションの柱です。

 

トラウマ、PTSD、自閉症と、自律神経の働きを明らかにした「ポリヴェーガル理論」によると、

表情筋を支配する迷走神経は「社会交流システム」と呼ばれ、人と人が信頼関係を結ぶのに

必要不可欠なもの、とされています。

 

 

精神的なストレスを長年抱え続けた方の表情には、

 

・動かなくなった表情筋(顔の表情が硬い、動かない)

・鼻骨と前頭骨の間のつまり(眉間の閉じた感じ)

・下がった口角

 

などの特徴があります。

 

 

表情が硬く、変化に乏しいと、他者とのコミュニケーションを困難にします。

しかし、本人には自覚がなく、原因もわからないことの方が多いです。

 

 

毎日顔を会わせる家族がこのような状態だと、一緒に生活する家族とのコミュニケーションに

何らかの違和感を感じたり、ちょっとしたボタンの掛け違いが起こり続ける可能性があります。

 

この「動かない表情筋」の違和感が、コミュニケーションが上手くいかない原因の

一つになっていることは、あまり広くは知られていません。

 

 

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では、どうして、その問題となる「表情筋が動かない」=「表情が硬い、ない、動かない」

という状況になってしまうのでしょうか?

 

 

これは、ほとんどが環境的な問題だと言えます。

 

 

表情の変化が無い人たちに囲まれて育ったり、感情的な怒りや不快感ばかりを表現する人たちに

囲まれて育った場合、ミラーニューロンを介した豊かな表情の学びが抑圧されていきます。

 

 

私たちは、ミラーニューロンの働き(親の動きや表情を見て、真似することから学ぶ)によって

表情やコミュニケーションの基本を学んでいきます。

 

 

本来イキイキとした表情で過ごす幼少期に、親が感情の表現を抑圧した状態で子供と接したり、

子供の顔を見ないでコミュニケーションをとっていたり、

怒りや不快感ばかりを表現して、喜びや嬉しさ、笑顔などの表情(子供が安心する表情)を

表現しなかったりした場合に、子供の豊かな表情、表現は失われ、抑圧されてしまいます。

 

 

抑圧された表情や感情を解放していくには、幼少期に起こった感情の抑圧に触れ、

表現していくことが大切です。

 

 

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治療に訪れる患者さんの中にも、こうした感情の抑圧が、表情筋や顔面の骨格の歪みとして

表れている方がたくさんいます。これは、僕も含め、ほとんどの人にあることです。

 

治療の中で症状と関連する場合には、心理面も含めて、表情筋や関連する神経系に

アプローチをしていきます。

 

顔の治療をすることで、無意識に抑圧していた「何か」がはじめて顕在化してくるケースは

よくあることです。

 

 

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当院の90分コースでは、より自分への理解を深めるきっかけとして、どういった感情や感覚

が残っているか、どう表現するか、当時の自分のピュアな想いは何だったのか、など

自分のコミュニケーションを形づくる表情(顔)に触れ、それを解放し、望ましいものに

変えていきます。

 

 

そうして表現できるようになった豊かな表情でのコミュニケーションは、お互いの理解を

深め合ったり、より親密な関わりへとつながり、さらにお互いの神経系を刺激しあい、

豊かな社会交流のきっかけとなります。

 

 

もし、人との関係性の中で、相手の考えていることがわからなかったり、

相手の行動の意味、意図が理解できずに困っていたりする場合、

家族とのコミュニケーションを見直す、取り組むことが解決の糸口になるかもしれません。

 

 

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先日、幼少期の抑圧のきっかけとなる場面に遭遇する機会がありました。

 

あるお母さんと小学1年生の女の子のやりとりです。

 

 

 

女の子「お母さん、これ出来た!」

 

母「良く出来たね。」

(娘の顔を見ず、他のことをしながら答えた)

 

女の子「・・・」

(残念そうな表情で、話しかけることを諦めて静かになった)

 

 

 

これは、どこの家庭でもある小さな出来事です。

お母さんは、頭の中では娘の相手をしてあげたい!と思って返事をしたとしても、

女の子が受け取った情報は、「お母さんに相手にされなかった」感覚です。

 

 

顔と顔を向き合わせる、ということは、相手の気持ちに気持ちを受け取っている、応えている、

という重要な意思表示になります。

 

さらに、その表情がリラックスしていて、やさしい微笑みであれば、どうでしょう?

 

言葉が同じだったとしても、子供が受け取る印象はまるで違います。

 

 

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僕は、言葉と体の動きについて、何年も研究をしています。

 

言葉では、「YES」でも、首が左右に動いて、まるで「NO」を表現している人。

「私がやります」と言いながら、体の動きは腰が後ろにひけている人。

 

言葉と身体表現のギャップは、ありとあらゆる場面で見つけることが出来ます。

もちろん、言葉と表情のギャップも。

 

「うれしい!」と言いながら、口元が下がるひと。

「ありがとう」と言いながら、目が笑っていない人。

 

 

では、どうしたらそのギャップに気づき、より自分にとっても、相手にとっても

心地よいコミュニケーションにできるでしょうか?

 

 

まずは、自分自身の表現が、言葉と体、表情と体、頭の中と体で一致していないことに

気づくことが第一歩ですが、これは普段からよぼど注意深く観察している人でないと、

気づくことは難しいと思います。

 

自分で自分に気づくことなら、なおさらの話です。

 

 

自分の内面に目を向け始めて、コアにある「何か」と、体や表情、言葉の表現が一致してくると、

家族、友人、社会との関係性(コミュニケーション)は、より快適でスムーズなものへと

自然と変化していきます。

 

お互いに安心感があり、願いも叶いやすくなります。

 

 

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さて、表情について、患者さんとの話や、自分自身のコミュニケーションを検証し続けていく中で

気づいたことがあります。

 

それは、表情筋の緊張、リンパのうっ滞と、不安や心配などのネガティブな雑念の関係です。

 

表情筋の緊張、顔面の動脈の緊張(血流障害)、リンパのうっ滞、これらのトラブルが、メンタル面に

大きな影響を及ぼしています。

 

さらに、特定の顔面骨と雑念の出所は一致しており、理由のないネガティブな雑念は、徒手療法により

軽減することが可能です。

 

これも、社会交流システムと呼ばれる、顔面の迷走神経の機能によるものと考えます。

 

 

リンパを流す施術を受けたり、ヘッドマッサージを受けたりして、すっきりした顔になり、

なんだか気持ちまですっきりした!という経験をお持ちの方は多いと思います。

 

施術を受けることで、顔面の迷走神経に刺激を与え、落ち着きや安らぎを感じさせてくれる、というのも

ポリヴェーガル理論から考えると、納得の話です。

 

当院での顔の治療は、心理的な側面もあわせて診ていきます。

世間でいうところの、小顔矯正とは違う部分です。

 

 

美容面に特化した、一般の小顔施術との違いは、顔面のリンパと動脈の流れを細かくチェックした上で

循環の悪い部分を活性化し、老廃物を流し、過去の打撲などの怪我や、歯の噛み合わせなどから来る

歪みを治療し、すっきりした表情を出せるように整えていく部分です。

 

古傷や打撲痕、手術痕、火傷痕(ケロイド含む)の皮膚の状態を改善することができると、

表情も感情も大きく変わり、ネガティブな雑念や落ち着きのなさ、不安になる癖まで変わる方も多くいます。

 

 

いつもモヤモヤしている。

頭の中がすっきりしない。

 

 

そういった理由のわからない不安や苛立ちは、もしかしたら神経系の機能低下が原因にあるかもしれません。

 

 

さらに、深い原因として考えられることは、幼少期のトラウマや、無意識の深い部分にある

自分でも気づかない孤独や恐怖の感情です。

 

その深い部分の治療は、90分コースのカウンセリングで取り扱っています。

 

 

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より深い安心感を自分自身の中に感じて、それが家族や友人にも伝わっていくこと。

 

 

ポリヴェーガル理論のポージェス博士のいう

「クライアントが大切な人と共にいて、親密さや幸福感を感じられること」は、

僕自身の目標でもあります。

 

当院で関わる人たちには、今よりもさらに深く、大切な人たちと愛し合い、幸福感を

感じられるようにサポートしていきたいと思っています。

 

 

より豊かな表情で、素直な表現で、その方が周りの大切な人たちと、もっともっと

深く繋がっていくことを目指して・・・

 

 

これからも、よろしくお願い致します。